リーガルテック社、宇宙・衛星・ロケット関連企業向け「ミッション知見継承ワークフロー」を提供開始【IPGenius】

地上試験・部品評価・異常解析・設計変更の記録を横断的に整理し、プロジェクト終了後の知見散逸の抑制と次期ミッションでの再利用を支援

リーガルテック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:平井 智之)は、宇宙・衛星・ロケット関連企業の研究開発部門・知財部門・品質保証部門・技術企画部門を対象に、「ミッション知見継承ワークフロー」の提供を開始した。

本ワークフローは、AIデータプラットフォーム「IPGenius」の導入企業向けに提供するものである。地上試験、部品評価、異常解析、ミッションごとの設計変更などの記録を横断的に整理し、発明候補の抽出、先行技術調査・FTO調査前の情報整理、および次期プロジェクトへの知見の引継ぎを支援する。

宇宙分野の開発では、長期にわたるプロジェクトの中で、試験結果や設計変更の判断理由など、多くの技術的知見が蓄積される。本ワークフローは、これらの情報を整理・蓄積する業務手順を体系化し、プロジェクト終了や担当者の異動に伴う知見の散逸を抑え、次期ミッションで再利用できる環境づくりを支援する。

背景:長期開発プロジェクトにおける知識継承の課題

宇宙・衛星・ロケット分野では、ミッションごとにプロジェクトが組成され、構想から打上げ・運用まで長期間にわたる開発が行われる。その過程では、熱真空試験・振動試験・衝撃試験・放射線試験などの地上試験記録、部品・材料のスクリーニング結果、民生部品の採用評価、不具合報告書、設計審査資料などが蓄積される。

こうした開発現場では、以下のような実務課題が生じやすい。

・プロジェクトや部門をまたぐ資料の分散

試験記録や評価結果は、プロジェクト・試験設備・担当部署ごとに保管されることが多い。研究開発部門・品質保証部門・製造部門に加え、宇宙機関・大学・部品サプライヤなどとの共同作業では、資料の形式や管理ルールも異なり、関連情報の照合に負担がかかる。

・設計変更や不具合対応に関する判断経緯の属人化

プロジェクト終了後にメンバーが別案件へ異動すると、「なぜその設計変更を行ったのか」「どの試験条件で不具合が再現したのか」といった判断の経緯が、個人の記憶や手元資料に留まりやすい。結果だけでなく、検討過程や採否理由を引き継ぐ仕組みが求められる。

・モデル区分や部品型番、社内略称による検索漏れ

EM・QM・FMなどのモデル区分や、試験名・部品型番・社内略称が多用されるため、同一の技術内容が異なる呼称で記録される場合がある。こうした表記の違いは、過去資料の検索や、先行技術調査に向けた検索語の設定を難しくする。

・発明抽出や調査準備の担当者への依存

試験データや設計変更記録から技術課題・解決手段・効果を読み取り、先行技術調査やFTO調査に向けて構成要素を整理する作業は、経験のある担当者に依存しやすい。同種の技術課題に再び取り組むまでに年単位の間隔が空くことも、知識継承を難しくする要因となる。

本ワークフローは、これらの課題に対応し、複数の部門やプロジェクトで蓄積された知見を、共通の手順で整理・活用できるよう支援する。

「ミッション知見継承ワークフロー」の主な内容

宇宙分野の開発資料を対象に、情報の整理・抽出・蓄積・再利用の手順を業務フローとして体系化する。

項目 内容
試験条件整理 地上試験の種別・条件・判定基準・結果を整理
部品評価整理 部品・材料の評価項目、スクリーニング結果、採否理由を整理
異常解析整理 不具合事象・推定原因・対策・再発防止策を時系列で整理
設計変更整理 ミッションごとの設計変更点と変更理由を対比形式で整理
呼称整理 部品型番・試験名・モデル区分・社内略称を、汎用名や上位概念と対応づけて整理
発明候補整理 技術課題・解決手段・効果の観点から発明候補を整理
検索語・技術観点整理 先行技術調査・FTO調査に向けた検索語候補と調査対象の技術観点を整理
ナレッジ化 整理結果や判断理由を、次期ミッションで参照・再利用できる形式で蓄積
対象資料例
資料種別 内容
地上試験報告書 熱真空・振動・衝撃・放射線試験の条件と結果
部品評価報告書 部品・材料の評価結果、民生部品の採用評価
不具合報告書 異常事象、原因解析、処置内容
設計審査資料 設計方針、レビュー指摘事項と対応
設計変更記録 ミッション間の仕様変更履歴と変更理由
研究ノート・技術メモ 要素技術の検討履歴
発明提案書 発明内容、技術課題、解決手段、効果の整理
特許明細書・調査報告書 過去の特許情報、先行技術調査・FTO調査の結果
想定利用シーン
  • 次期衛星・ロケット開発の立ち上げ時における、過去ミッションの試験条件・不具合事例の参照
  • プロジェクト終了時の技術知見の棚卸しと引継ぎ資料の作成
  • 部品・材料変更時における過去評価結果の確認と、権利関係の確認に向けた情報整理
  • 異常発生時における類似不具合事例の調査と原因分析
  • 地上試験や設計変更記録からの発明候補の整理
  • 先行技術調査・FTO調査前の構成要素整理と検索語候補の準備
  • 共同研究・受託開発で得られた知見の整理と社内共有
  • 競合技術分析に向けた自社技術の比較観点の整理
IPGeniusによる支援

本ワークフローの運用基盤として、リーガルテック株式会社が提供するAIデータプラットフォーム「IPGenius」を活用する。

IPGeniusは、研究ノート・実験レポート・品質データ・特許書類・技術報告書など、社内に分散する資料を横断的に検索・参照できる環境を提供する。本ワークフローでは、この環境を活用し、試験条件・部品評価・異常解析・設計変更に関する情報を照合しながら、発明候補の整理や調査前情報の構造化を支援する。

また、情報の抽出・整理に用いる業務手順を定型化して共有することで、担当者ごとの整理項目や粒度のばらつきを抑え、研究開発部門・知財部門・品質保証部門などの連携を支援する。整理結果に加え、検索語や判断理由も社内ナレッジとして蓄積し、次期ミッションや類似テーマで再利用できる。

資料の参照範囲は権限に応じて管理でき、機密性の高い研究・知財データを扱う業務にも配慮した運用が可能である。

今後の展開

リーガルテック株式会社では、宇宙・衛星・ロケット分野に加え、材料・化学・食品・化粧品・電子材料・ヘルスケアなど幅広い分野を対象に、業界別・用途別のAI活用ワークフローおよびナレッジテンプレートを順次拡充していく方針である。

各業界の研究開発部門・知財部門が抱える実務課題に対応した支援メニューを整備し、企業における知財・研究開発業務の効率化と、組織的な知識活用を支援していく。

会社概要
  • 会社名:リーガルテック株式会社
  • 設立:2021年3月
  • 資本金:4億9,300万円(資本準備金含む)
  • 代表取締役社長:平井 智之
  • 所在地:東京都港区虎ノ門5-13-1 虎ノ門40MTビル4F
  • 事業概要:
    ・特許AIプラットフォーム「MyTokkyo.Ai」の開発・提供
    ・AIデータプラットフォーム「IPGenius」の開発・提供
    ・M&Aプラットフォーム「リーガルテックVDR」の開発・提供
  • コーポレートサイト:https://www.legaltech.co.jp/