リーガルテック社、3Dプリンター・積層造形分野向け「造形プロセス横断 発明抽出ワークフロー」を提供開始【IPGenius】

材料・造形条件・モデル設計・後処理・欠陥情報を横断的に整理し、発明候補の抽出と先行技術調査・FTO調査の事前準備を支援

リーガルテック株式会社(東京都港区、代表取締役社長:平井 智之)は、3Dプリンター・積層造形(Additive Manufacturing)分野の研究開発部門・知財部門・品質保証部門・技術企画部門を対象に、「造形プロセス横断 発明抽出ワークフロー」の提供を開始した。

本ワークフローは、AIデータプラットフォーム「IPGenius」の導入企業向けに提供するものである。粉末・樹脂などの材料情報、造形条件、モデル設計、後処理、欠陥・評価情報を横断的に整理し、発明候補の抽出、先行技術調査・FTO調査前の情報整理、および過去の検討データの再利用を支援する。

積層造形分野では、材料・装置・造形プロセス・後処理に関する情報が複数の部門や資料に分散しやすい。本ワークフローでは、これらの情報を整理する業務手順を体系化し、発明につながる知見の把握と調査準備の負荷軽減、組織内の知識継承を支援する。

背景:積層造形分野における知財・研究開発業務の課題

積層造形の技術的な成果は、材料、造形条件、モデル設計、後処理など、複数の要素の組み合わせによって生まれる。金属粉末・光硬化性樹脂・フィラメントなどの材料特性に加え、レーザー出力・走査速度・積層ピッチ・予熱温度といった造形条件、サポート構造・ラティス構造・造形方向などの設計要素が、造形物の品質や性能に関わる。さらに、熱処理・HIP処理・表面研磨・洗浄・二次硬化などの後処理も検討対象となる。

こうした複数の要素を扱う研究開発現場では、以下のような実務課題が生じやすい。

・材料・造形条件・品質データの分散

材料の検討履歴は研究ノートや材料評価資料、造形条件は装置ログやパラメータファイル、モデル設計はCAD関連資料、欠陥情報は検査記録や不具合報告書など、情報が異なる場所に記録されている。そのため、特定の材料と造形条件の組み合わせによる欠陥低減など、発明につながる知見を把握するには、部門をまたいだ資料の照合が必要となる。

・材料名や造形方式の表記の違いによる検索漏れ

粉末や樹脂には、商品名・メーカー型番・社内略称・合金規格名など、複数の呼称が用いられる。また、PBF、DED、バインダージェット、光造形(SLA/DLP)、材料押出など、造形方式によって用語や整理すべき条件も異なる。こうした表記や用語の違いは、社内資料の検索や先行技術調査における検索語の設定を難しくする。

・実施例・比較例と評価結果の整理負荷

材料・造形条件・後処理の組み合わせを、密度・引張強度・表面粗さ・寸法精度などの評価結果と対応づける作業には工数がかかる。ポロシティ、割れ、反り、寸法誤差、未溶融などの欠陥情報も含めて整理する必要があり、条件間の比較や過去の検討経緯の把握が担当者の負担となる。

・発明抽出・調査準備の属人化と知識継承

発明候補の把握や調査前の技術要素の分解、検索語・比較軸の設定は、材料と造形プロセスの双方に精通した担当者の経験に依存しやすい。装置の更新や担当者の異動に伴い、過去の検討経緯や判断理由が引き継がれにくく、類似案件でも情報整理をやり直す負担が生じる。

本ワークフローは、これらの課題に対応し、研究開発部門・知財部門などが共通の手順で情報を整理・活用できる環境づくりを支援する。

「造形プロセス横断 発明抽出ワークフロー」の主な内容
  • 材料情報整理:粉末・樹脂・フィラメントの組成、粒度、物性などを抽出・整理
  • 造形条件整理:レーザー出力、走査速度、積層ピッチ、温度条件などを条件別に整理
  • 設計要素整理:サポート構造、ラティス構造、造形方向などのモデル設計要素を整理
  • 後処理整理:熱処理、HIP処理、研磨、洗浄、二次硬化などの工程情報を整理
  • 欠陥・評価情報整理:欠陥種別と密度・強度・寸法精度などの評価結果を、材料・造形条件・後処理と対応づけて整理
  • 呼称整理:商品名・型番・社内略称・規格名を、汎用名・上位概念と対応づけて整理
  • 発明候補整理:技術課題・解決手段・効果の観点から、材料・造形条件・設計・後処理の組み合わせを整理
  • 検索語・比較軸整理:先行技術調査・FTO調査に向けた検索語候補と、他社特許との比較軸を整理
  • ナレッジ化:整理結果・検索語・判断理由を、再利用可能な形式で蓄積
対象資料例
  • 研究ノート:材料・造形条件の検討履歴
  • 材料評価資料:粉末・樹脂の物性、粒度分布データ
  • 造形条件記録:装置パラメータ、造形ログ
  • 実験データ:密度・強度・表面粗さなどの評価結果
  • 品質データ:検査記録、欠陥・不具合報告書
  • 技術報告書・CAD関連資料:後処理条件やモデル設計の検討履歴
  • 発明提案書:発明内容、技術課題、解決手段、効果の整理
  • 特許明細書:実施例・比較例、材料・造形条件の記載
  • 調査報告書・FTO資料:過去の調査結果、検索式、構成要素の整理
想定利用シーン
  • 材料・造形条件・モデル設計・後処理を横断した発明候補の洗い出し
  • 発明提案書作成前における技術課題・解決手段・効果の整理
  • 先行技術調査前の構成要素の分解と検索語候補の準備
  • 新材料の採用や造形条件の変更に伴うFTO調査前の情報整理
  • 欠陥発生時における過去の類似条件・対策事例の参照
  • 造形装置の更新や担当者の異動に伴う研究テーマの引継ぎ
  • 競合他社の材料・プロセス関連出願を比較する観点の整理
  • 過去の造形条件検討を再利用した試作計画の立案
IPGeniusによる支援

本ワークフローの運用基盤として、リーガルテック株式会社が提供するAIデータプラットフォーム「IPGenius」を活用する。

IPGeniusは、研究ノート・実験レポート・品質データ・特許書類・技術報告書など、社内に分散する資料を横断的に検索・参照できる環境を提供する。本ワークフローでは、この環境を活用し、材料・造形条件・設計・後処理・評価結果に関する情報を照合しながら、発明候補の整理や調査前情報の構造化を支援する。

また、情報の抽出・整理に用いる業務手順を定型化して共有することで、担当者ごとの整理項目や粒度のばらつきを抑え、研究開発部門・知財部門・品質保証部門などの連携を支援する。整理結果に加え、検索語や判断理由も社内ナレッジとして蓄積し、次の案件や類似テーマで再利用できる。

資料の参照範囲は権限に応じて管理でき、機密性の高い研究・知財データを扱う業務にも配慮した運用が可能である。

今後の展開

リーガルテック株式会社では、3Dプリンター・積層造形分野に加え、材料・化学・食品・化粧品・電子材料・ヘルスケアなど幅広い分野を対象に、業界別・用途別のAI活用ワークフローおよびナレッジテンプレートを順次拡充していく方針である。

各業界の研究開発部門・知財部門が抱える実務課題に対応した支援メニューを整備し、企業における知財・研究開発業務の効率化と、組織的な知識活用を支援していく。

会社概要
  • 会社名:リーガルテック株式会社
  • 設立:2021年3月
  • 資本金:4億9,300万円(資本準備金含む)
  • 代表取締役社長:平井 智之
  • 所在地:東京都港区虎ノ門5-13-1 虎ノ門40MTビル4F
  • 事業概要:
    ・特許AIプラットフォーム「MyTokkyo.Ai」の開発・提供
    ・AIデータプラットフォーム「IPGenius」の開発・提供
    ・M&Aプラットフォーム「リーガルテックVDR」の開発・提供
  • コーポレートサイト:https://www.legaltech.co.jp/
  • お問い合わせ:https://form.legaltech.co.jp/aos/legal/input/